方山永固陵(読み)ほうざんえいこりょう(英語表記)Fāng shān Yǒng gù líng

改訂新版 世界大百科事典 「方山永固陵」の意味・わかりやすい解説

方山永固陵 (ほうざんえいこりょう)
Fāng shān Yǒng gù líng

中国,山西省大同市の北,方山山陵に設けられた北魏時代の古墓。北魏,文成帝の妻胡太后文明太后)馮氏の墓で,その北に孝文帝寿陵〈万年堂〉がある。永固陵は,481年(太和5)にその修築工事が始まり,490年に入葬された。円墳で南北約117m,東西124m,高さ約23mをはかる。墓は多室墓で,墓道,前室,甬道,後室の4室からなり,墓室の南北の総長は17.6mである。1976年の調査によると,金の正隆年間(1156-60)以前,金の大定年間(1161-89),ならびに清の光緒年間(1875-1908)に盗掘されていることがわかった。今は石彫,石彫武士俑,銅簪,鉄鏃などしか残っていないが,完成年が同じ太和8年(484)の司馬金竜墓からその副葬品を想像することができる。孝文帝の万年堂は1辺60mの方形で,同じく4室からなる。洛陽遷都後,孝文帝は平城(大同)に帰葬することを禁じ,自らの墓〈長陵〉を洛陽に築いた。
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