深層社会学(読み)しんそうしゃかいがく(英語表記)sociologie en profondeur

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「深層社会学」の意味・わかりやすい解説

深層社会学
しんそうしゃかいがく
sociologie en profondeur

フランスの社会学者 G.ギュルビッチにより主張された社会学の対象領域。社会的現実を垂直に眺めることによって,社会結合をその組織性,自発性観点から問題とする。この場合,深さに層位を認め,組織性の濃厚なものから自発性の濃厚なものへと,暫定的に 10層を区別した。形態学的基礎,社会組織,社会的モデル,規則的集合行動社会的役割,集合的態度,社会的象徴,沸騰的・革新的・創造的集合行動,集合価値観念,集合心性がそれであり,この順序に従って,次第に深層にいたると同時に,強制力の減退と自発性の増大とがみられるという。

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世界大百科事典(旧版)内の深層社会学の言及

【ギュルビッチ】より

…第2次大戦後パリ大学(ソルボンヌ)教授として活躍し,大きな影響力をもった。社会的現実を〈深さ〉の諸相において考察する深層社会学をうちたて,これに微視から巨視におよぶ多元的な集団形態論を組み合わせて,社会学の体系化をおこなう。それにもとづき,法社会学,社会階級論,知識社会学などの分野で独自の業績をあげた。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」