社会組織とは集団や社会を秩序づけるための組織をいう。いかなる集団も社会も存続するためには一定の秩序としての組織を必要とする。このことをもうすこし詳しく説明すれば、次のようにいうことができる。すなわち、社会組織とは、たとえば職場におけるインフォーマルな仲間集団のように比較的小さな集団から、学校、病院、工場、そして全体社会にまで至る、あらゆる大きさの集団をそれぞれ構成している諸要素ないし諸部分(人、物、情報)が、それぞれ一定の共同の関心ないし目標を追求するために、一定の規則や慣例などに従って、多かれ少なかれ継続性をもって有機的に相互に関係づけられている状態のことである。いいかえれば、集団は人と人との関係から成り立ち、組織は人が行う役割関係から成り立つ。集団は組織によって形成され、秩序づけられている。
このように社会組織という概念は、対人的な2人関係の維持から、複雑な全体社会の維持のためのメカニズムとして用いられる。しかしとくに重要なことは、大きさの大小にかかわらず、集団や社会の存続を可能にする社会組織は、その集団や社会を構成している人々の秩序維持への意識的努力に依存しているということである。すなわち、社会組織は自然発生的に成立するものではなく、人々の社会秩序維持への意図的努力として形成されるのである。もちろん社会組織のあり方は集団や社会の大きさ、時代的背景としての文化やテクノロジーなどによって異なってくる。とりわけ現代社会の社会組織のあり方はテクノロジー・システム(とりわけコンピュータ・ネットワーク)のあり方に大きく影響を受けている。
[佐藤慶幸]
『C・H・クーリー著、大橋幸・菊池美代志訳『現代社会学大系4 社会組織論』(1970・青木書店)』
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…居住の近接性を契機として形成される集団。アメリカの社会学者C.H.クーリーは第1次集団の具体例として家族,遊戯集団とともに近隣集団を掲げ,人類の集落の歴史上,この近隣集団がつねに個人の感情交流と相互扶助の場となっていたと説いている(《社会組織》1909)。しかし,彼は現代アメリカではしだいに崩壊し,とくに都市において近隣は単に地理的空間の問題にすぎない場合も生じてきていると指摘している。…
※「社会組織」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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