確と・聢と(読み)しかと

精選版 日本国語大辞典 「確と・聢と」の意味・読み・例文・類語

しか‐と【確と・聢と】

〘副〙
① はっきりしているさま。はっきりと。ちゃんと。分明に。
万葉(8C後)五・八九二「志可登(シカト)あらぬ 鬚かき撫でて 吾れをおきて 人はあらじと 誇ろへど」
② たしかであるさま。確実なさま。たしかに。かならず。
史記抄(1477)一四「縦しかと腎か両方にあると云証拠はなくとも、命門を指て陰支蘭蔵と云べきぞ」
③ いいかげんでないさま。かたく。しっかりと。
太平記(14C後)一三「淵辺御の上に乗懸り、腰の刀を抜て、御頸を掻んとしければ、宮御頸を縮て、刀のさきをしかと呀(くわへ)させ給ふ」
④ 十分に。完全に。よく。
※上杉家文書‐(永祿一二年)(1569)四月二七日・北条氏康書露状「次遠州之儀、兵粮然と断絶候」
⑤ すきまのないさま。びっしりと。
※太平記(14C後)三「誰か候と被尋ければ、其国の某々と名乗て、廻廊にしかと並居たり」
自分の望みどおりにするさま。
日葡辞書(1603‐04)「xicato(シカト) ゴザレ〈訳〉自分の望みどおりにしている」

しっか‐と【確と・聢と】

〘副〙 (「しかと」を強めた言い方) たしかで、いいかげんでないさまを表わす語。
動作態度などがしっかりしているさま。しっかり。
※史記抄(1477)一三「嗇夫は嗇はをしむやうな心で物をよくしっかとつましふする小官の名也」
浄瑠璃烏帽子折(1690頃)名尽し「飛びかかってしっかと取れば」
物事状態などがしっかりしているさま。
※百丈清規抄(1462)二「韈を以てしっかと褁て鞋を着けよぞ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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