社会物理学(読み)しゃかいぶつりがく(英語表記)physique sociale

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「社会物理学」の意味・わかりやすい解説

社会物理学
しゃかいぶつりがく
physique sociale

A.コント社会学を呼んだ言葉。欧米諸国における成立期の社会学の特徴は,まず第1に,社会現象を包括的に取扱う総合社会学として形成されたことであり,次に,当時の社会学は自然科学モデルとして,経験的,実証的手法をそれから取入れたことである。コントが初め社会学を社会物理学と呼んだのは,このことの証左であり,コント,H.スペンサー,L.F.ウォードらが生物学を重視したこともその現れである。特にコントとスペンサーが,社会を有機体との類比においてとらえる社会有機体説をとったのも,自然科学,とりわけ生物学に依拠したためといえる。

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世界大百科事典(旧版)内の社会物理学の言及

【ケトレ】より

…彼は主著《人間について》(1835)のなかで,人間および社会の各現象においても物理現象と同じような統計的法則性がみられることを指摘し,大きな影響を与えた。そして統計を用いて,人間および社会に関する精密科学〈社会物理学〉を打ち立てようとし,そのための方法として〈平均人〉の概念を提唱した。また国際統計会議を主唱して,国勢調査を中心とする統計制度の確立に努めた。…

※「社会物理学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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