空間(哲学)(読み)くうかん

百科事典マイペディア 「空間(哲学)」の意味・わかりやすい解説

空間(哲学)【くうかん】

日常語としては,事物がその中に位置している広がり。西洋思想史上,古代ギリシア以来の長い空間論の歴史がある。デモクリトスの〈空虚(メオン)〉の説,ニュートンの〈絶対空間〉,カントカテゴリーとしての空間概念などが重要。電磁気学理論時間との連続体ととらえる相対性理論,空間関係の記述の複数性を明らかにした非ユークリッド幾何学などの登場,さらには〈生活空間〉〈文化空間〉〈環境世界〉といった観点が生まれるに及んで,事物の容器,堅固な思考枠組みという伝統的空間概念にさまざまな反省が加えられている。→時間

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報