時間(物理)(読み)じかん

百科事典マイペディアの解説

時間(物理)【じかん】

現象の変化の過程を記述するために導入される変量。量として成立するには,同じ場所で起こった二つの事象がある観測者からみて同時であれば,それはいかなる観測者がみても同時と判定されるということが前提となるが,他に,同じ場所に起こる同時でない事象の間の時間的間隔,異なる場所における同時性,同じ事象を異なる座標系から観測したときの時刻の関係などに関する取りきめが必要で,これらはいずれも物理学の基本法則と関連してきめられる。古典物理学ではニュートンの運動の法則に基づいてきまり,同時性や時間間隔は場所や座標系に無関係であるとする(絶対時間)。しかし特殊相対性理論一般相対性理論によればこれらは場所や座標系に相対的なものであって,たとえば高速度で運動する物体や強い重力場のもとでは時間間隔が延びる(時計が遅れる)。 また物理学の基本法則は時間tの符号を変えて−tでおきかえてもそのまま成立する性質をもち,これらの法則で支配される現象は時間の前後関係を逆にしても矛盾なく成立するという意味で可逆的といわれる。しかし自然界で実際に観測される現象は不可逆的で,その意味で時間自体も過去から未来へ一方向に流れる不可逆的なものといわれる。これに対し物理学では,巨視的状態には多数の微視的状態が含まれ,微視的状態の間の移り変りは可逆的であるが,巨視的状態の間では微視的状態の数が多いほうへ確率的に移っていくと説明する(エントロピー)。実際に時間を測るには,物理学の法則から正確な等時性が保証されるような周期的現象を利用して計量し(原子時計),基本単位は。→可逆変化不可逆変化
→関連項目空間(哲学)相対性理論

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