蝉の羽(読み)セミノハ

デジタル大辞泉 「蝉の羽」の意味・読み・例文・類語

せみ‐の‐は【×蝉の羽】

かさねの色目の名。表は檜皮ひわだ、裏は青。
蝉のはね
「―よりも軽げなる直衣なほし」〈三三
蝉の翅のような薄い着物や布。せみはごろも
「―もたちかへてける夏衣かへすを見てもねは泣かれけり」〈夕顔

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精選版 日本国語大辞典 「蝉の羽」の意味・読み・例文・類語

せみ【蝉】 の 羽(は)

① 蝉のはね。蝉のつばさ
古今(905‐914)雑上・八七六「蝉のはの夜の衣はうすけれど移り香濃くもにほひぬるかな〈紀友則〉」
② 蝉のはねのような、軽く薄い夏の着物や布。蝉の羽衣(はごろも)
源氏(1001‐14頃)夕顔「せみのはもたちかへてける夏衣かへすをみてもねはなかれけり」
[補注]①では、薄い布や衣類の比喩として用いることが多い。また、「蝉の羽の」の形で枕詞とする説もある。

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