家庭医学館 「軟産道強靱」の解説
なんさんどうきょうじん【軟産道強靱 Soft Birth Canal Dystocia】
子宮の下部(子宮峡部(きょうぶ))、子宮頸管(けいかん)(子宮の出口)、腟(ちつ)、会陰(えいん)からなる胎児の通過路を軟産道といいます。
陣痛が始まったら、軟産道もやわらかくなり、お産が順調に進むのが望ましい状態です。
しかし、初産婦(しょさんぷ)、とくに年齢の高い初産婦の場合、軟産道がかたくて広がりにくく、分娩(ぶんべん)がなかなか進行しないことがあります。このような状態を、軟産道強靱といいます。
[治療]
腟や会陰部のみがかたい場合には、会陰切開(えいんせっかい)を行なっただけでお産できることが多いものですが、子宮口(しきゅうこう)を切開する処置が必要となることもあります。
また、分娩が長びいて胎児(たいじ)の具合が悪くなったり、妊婦が極度に疲労した場合には、吸引(きゅういん)分娩や鉗子(かんし)分娩、ときには、帝王切開(ていおうせっかい)(「特殊な分娩」の帝王切開術)が行なわれることもあります。