(ジクロロヨード)ベンゼン(読み)ジクロロヨードベンゼン

化学辞典 第2版 の解説

(ジクロロヨード)ベンゼン
ジクロロヨードベンゼン
(dichloroiode)benzene

C6H5ICl2(274.90).ヨードベンゼンジクロリド(indobenzene dichloride),フェニルヨウ素(Ⅲ)ジクロリド(phenyliodine(Ⅲ) dichloride)ともいう.低温でヨードベンゼンに乾燥塩素ガスを作用させると得られる.黄色の結晶.融点115~120 ℃(分解).二重結合,三重結合と反応して塩素付加体を与えるが,塩素とは異なる選択性を示す.第二級アルコールケトン酸化,また,オキシムカルボニル化合物に変換できる.光照射下では炭化水素塩素化でき,この反応を応用して,ステロイドなどに位置選択的に塩素を導入する方法も開発されている.[CAS 932-72-9]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報