化学辞典 第2版 「γ線スペクトロメーター」の解説
γ線スペクトロメーター
ガンマセンスペクトロメーター
γ-ray spectrometer
放射性同位体から放出されるγ線のエネルギーと放出個数を測定するための装置.通常,タリウムで活性化されたヨウ化ナトリウム単結晶と光電子増倍管をシングルまたはマルチチャンネル波高分析器に接続したものである.最近は,リチウムドリフト型ゲルマニウムなど半導体検出器の出現により,エネルギー分解能はいちじるしく向上し,また電子工学の進歩による波高分析器の性能向上と相まって高精度の測定が可能となった.一方,データ量の増加に伴い,コンピューターによるスペクトル解析は必須の要件となりつつある.γ線スペクトロメーターから得られるデータを解析することにより,放射性核種の同定,崩壊形式,放射能強度,放射化学的純度などに関する知見が得られる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報