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「テロとの戦争」 てろとのせんそう ‘war against terrorism'‘war on terror'

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知恵蔵2015の解説

「テロとの戦争」

米国は1812年以来、本土攻撃を経験していないため、9.11事件への反応は激しく、ブッシュ政権は、「テロとの戦争」を掲げ、まずアフガニスタンタリバーン政権を「テロ組織を匿った」として軍事力で打倒。同時に大戦期に匹敵する強大な大統領権限を確立、議会の審議権、人権保護の司法手続きを弱め、自由・人権より安全保障を優先。さらにテロと大量破壊兵器に対する米本土の脆弱性を痛感し、ミサイル防衛建設と共に、テロ対策を重点とする国土安全保障省を新設。そして従来の封じ込め政策抑止戦略から攻撃重視の戦略に転換し、本来はテロ組織絶滅だった政策目標を大量破壊兵器保有国抑え込みへとつなげ、また「防衛」戦略を、国際法無視の先制攻撃戦略へと拡大する二重のエスカレーションに踏み切った。特にイラクイラン北朝鮮「悪の枢軸」名指し、うちイラクのフセイン政権を03年前半に軍事力で打倒。このように「反テロ戦争」が際限不明の武力行使に変質する可能性を示すに至った。

(坂本義和 東京大学名誉教授 / 中村研一 北海道大学教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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