日本大百科全書(ニッポニカ) 「アイブス」の意味・わかりやすい解説
アイブス
あいぶす
Charles Edward Ives
(1874―1954)
アメリカの作曲家。バンドリーダーの父ジョージに音楽の手ほどきを受け、エール大学でホレーショ・パーカーに作曲を学び、教会のオルガン奏者として出発するが、のちに実業界入りし成功を収めた。かなりの量にのぼる作品は1918年に心臓病で倒れるまでのものが多いが、多調、無調、4分音、そして民謡や賛美歌の引用を用いたきわめて先鋭的な特徴をもち、アメリカ近代音楽の父ともいわれている。代表作は5曲の交響曲(うち第3番『キャンプの集い』は1947年にピュリッツァー賞を受けた)、管弦楽組曲『ニューイングランドの三つの場所』(1914)で、ほかに5曲のバイオリン・ソナタ、3曲の弦楽四重奏曲、2曲のピアノ・ソナタ、150曲に及ぶ歌曲などがある。
[細川周平]