アエクイ族(読み)アエクイぞく(英語表記)Aequi

改訂新版 世界大百科事典 「アエクイ族」の意味・わかりやすい解説

アエクイ族 (アエクイぞく)
Aequi

前1千年紀,中央イタリアの山岳地帯に居住したオスキ系(オスキ人)の種族。つとにラティウム地方への侵入を企て,前5世紀にはトゥスクルム,ラビクム,アルギドゥスまで進出し,ウォルスキ族とともにしばしばローマと衝突した。結局,前304年の戦いでローマが勝利を収め,戦後アエクイの故地にはローマの植民市アルバ・フケンス,カルシオリ)が建設された。彼らの一部はアエクイクリの名でその後も存続した。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のアエクイ族の言及

【ウォルスキ族】より

…前500年前後に山を下り,リリ川付近の諸都市に定住したオスク・ウンブリア系の古代イタリア山地民。同系のアエクイ族と結んで先住民諸都市に脅威を与え,ラテン人とローマ市の同盟(カッシウス条約)を招いた点で,ローマによるラティウム統合を準備したといえる。アエクイ族の壊滅後は漸次後退を余儀なくされ,ラテン同盟戦争の際にも同盟側に加わって敗北(前338),以後ローマ国家に吸収された。…

【ローマ】より

… このように身分闘争において貴族が譲歩し続けたのは,この時期の近隣諸種族との戦争のゆえであった。前5世紀には北方のエトルリアの圧迫は続き,ラテン諸都市との戦争もあり,他方サビニ人アエクイ族ウォルスキ族など東方の山地帯に拠る諸種族のラティウム平原地帯への進出と戦わねばならなかった。世紀末にはこれらを押し返し,前396年には最強のエトルリア都市ウェイイを攻略した。…

※「アエクイ族」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android