改訂新版 世界大百科事典 「アカニア」の意味・わかりやすい解説
アカニア
Akania hillii Hook.f.
オーストラリア東部原産の複葉を有するアカニア科の樹木。樹高10mに達し,花序を除いては無毛。葉は羽状複葉で大きく,長さ30~60cm,羽片は鋸歯があり,13~31枚,対生的につき,やや厚く革質である。花序は葉腋(ようえき)や枝端に頂生し,時には幹に生じ,円錐状,長さ30~50cmで垂下する。花は両性花,白または淡桃色で大きさ約3cm,花弁は5枚,おしべは5~10本,子房は3室で,各室に2個の胚珠を有する。革質の葉や花がきれいなため観賞用にされることがあるが,生育が遅く開花するまで長期間を要し,冬季は保温を必要とする。
アカニア科Akaniaceaeは,1属1種から成る単型科で,花や葉の形態からムクロジ科に近縁と考えられ,ムクロジ科に入れられる場合もある。
執筆者:堀田 満
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報