アガディール事件(読み)あがでぃーるじけん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アガディール事件」の意味・わかりやすい解説

アガディール事件
あがでぃーるじけん

1911年7月1日、ドイツモロッコのアガディール港に軍艦を派遣し、フランスを威嚇した事件。第二次モロッコ事件ともいい、第一次世界大戦勃発(ぼっぱつ)前に起こった国際危機の一つである。モロッコはフランスの保護領となっていたが、1911年首都フェズで反乱が起こり、その鎮圧のためにフランス軍が出兵した。ドイツは自国の権益保護を名目に軍艦を派遣するという挙に出、独仏関係は一時大いに緊張した。しかしイギリスがフランスを強く支持したため、ドイツはフランスからわずかな譲歩を得ただけで、外交的敗北を喫した。

[木谷 勤]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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