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岩石区 がんせきく petrographic province

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

岩石区
がんせきく
petrographic province

成因的に同じマグマの活動によって特徴づけられた火成岩の分布地域。環太平洋岩石区など。

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デジタル大辞泉の解説

がんせき‐く【岩石区】

同じマグマに由来すると考えられる火成岩が分布する地域。化学組成・鉱物組織が共通しており、他の地域や時代から区別できる。

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百科事典マイペディアの解説

岩石区【がんせきく】

ある地域の,ある地質時代に生まれた一群の火成岩には共通の特徴がある。この特徴で区分した一定地域が一つの岩石区と呼ばれ,その地域の構造地質と密接な関係がある。たとえば,太平洋をとりまく新生代造山帯におけるカルクアルカリ岩区,大洋の火山島やアフリカ大地溝帯などにみられるアルカリ岩区,デカン高原などのソレイアイト区など。

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岩石学辞典の解説

岩石区

世界中には様々な岩石が産出しているが,1872年にフォーゲルザングは,ある地方の火成岩類は,それぞれに異なる岩型であっても共通の組織や鉱物組成をもち,それらを他の地方の火成岩類から区別することができると考えた.この現象は普遍的なもので,一地域で特定の火成活動期に生成された火成岩類は共通の性質を持っているので,このような地域にジャドが1886年に最初に岩石区の名称を提案し,明瞭な岩石区の中では,特定の地質学的な時代に噴出した岩石は明瞭な鉱物学的組成および顕微鏡的構造を持っている.これは他の岩石学的な地区で同時期に噴出したものから,同じグループに属する岩石を区別するのに役に立つと述べている[Judd : 1886].ハーカーは1911年に,岩石区とは多少はっきりと限定された広い地域で,この中ではある時代の火成活動に属する火成岩は,すべての岩石の変化を通して特定の岩石学的特徴を共有している,と定義している[Harker : 1911].ある地域の,ある限られた時代の火成岩群に含まれる岩石が,全体を通じて共通した性質を持ち,他の火成岩群と区別できる場合に,この群を岩石区と呼ぶ.ここで共通な性質という考え方は,それらに成因的な血縁関係(consanguinity)があるであろうということを示唆している.
近年はこの語は火成活動の同じ時代に属する地理的な範囲内の岩石の記述に用いられている.このような岩石は独特の化学的組成および鉱物学的組成,構造,組織などによって特徴づけられている.このためこれらの岩石は他の火成岩地域や時期に属する火成岩から容易に区別される.岩石区はある期間にわたって同じ様な地質環境におかれていた地質と推測される地域で,個々の岩石区は成因的に同一マグマに由来したと考えられる火成岩類が貫入または噴出している地域と地質時代の両方で定義される.岩石区の広さや時間の長さは様々で,境界は広い範囲で漠然としており,変化する[Judd : 1886, Harker : 1911, Stark : 1914, Turner & Verhoogen : 1951, Tomkeieff : 1983, 片山ほか : 1970].

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世界大百科事典 第2版の解説

がんせきく【岩石区 petrographic province】

地球上の火成岩の化学組成は多様である。特定の地域と時代に限って,そこに産出する火成岩群をみたとき,岩石名としては多種であっても,他とは異なる共通の化学組成上の特徴をもつことがある。この場合に他の地域や時代の火成岩群とは見分けがつくので一つの岩石区という概念で一括して扱う。ジャッドJ.W.Juddが定義した(1886)。一つの岩石区の火成岩のうち,その成因までも関係のありそうなものは,火成岩アソシエーションとよぶ。

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大辞林 第三版の解説

がんせきく【岩石区】

ある地質時代の特定の火成活動によって特徴づけられ、化学組成・鉱物組成上、共通の特性をもつ岩石から構成される地域。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

岩石区
がんせきく

ある地質時代に、ある地域で噴出あるいは貫入し、共通のマグマに由来すると考えられる一群の火成岩は、化学組成や鉱物組成が多様ななかにも共通の特徴があって、他の時代や他の地域のものと区別される。このように共通の特徴をもつ一群の火成岩は、一つの岩石区をなすという。20世紀初頭、イギリスのハーカーは、太平洋地域の新生代火成岩は大西洋地域のものに比べて、ナトリウムNa2Oに富み、後者はカリウムK2Oに富む傾向があるとし、それぞれが岩石区をなすと考えた。一方、アメリカのボーエンは、いろいろな岩石区が生ずるのは、玄武岩質マグマの結晶分化作用によっていろいろな岩石が生成するときに、条件が少しずつ異なるためであろうと論じた。しかし、イギリスの地質調査所の技師たちは、スコットランドの新生代火成岩には二つのグループ、つまり二つの岩石区があり、それらは互いに異なった本源マグマから生ずることを明らかにした。一つはソレアイト質マグマの結晶分化作用によって生ずるもので、他はアルカリ橄欖(かんらん)石玄武岩マグマから生ずるものである。前者は後者に比べてシリカSiO2にやや富み、アルカリに乏しい。結局、岩石区は、もともと玄武岩質本源マグマにいくつかの種類があり、それぞれが結晶分化していろいろな火成岩ができると、それらの間に共通な特徴がみられるようになる、というのが最近の考えである。[橋本光男]

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