ランデール(読み)らんでーる(その他表記)Max Linder

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ランデール」の意味・わかりやすい解説

ランデール
らんでーる
Max Linder
(1883―1925)

フランスの喜劇俳優、映画監督。ジロンド県サン・ルーベスに生まれる。ボルドーの演劇学校卒業後パリで舞台出演のかたわら、1905年パテ映画にデビュー。1909年にはパテ社と専属契約を結び、1910年からは脚本、1911年からは監督も兼ねて、『マックスとキナ入り葡萄(ぶどう)酒』(1911)など二、三百本の作品に出演、第一次世界大戦前の最大の喜劇映画スターとなった。フロックコートシルクハット、白手袋に籐(とう)のステッキといっただて男スタイルや、その軽妙洒脱(しゃだつ)な演技チャップリンにも影響を与えている。やがてしだいに人気が衰え、二度の渡米も大きな成功には至らず、パリで神経衰弱のため自殺した。

武田 潔]

資料 監督作品一覧

マックスの旅行 Comment Max fait le tour du monde(1910)
マックスの快癒 Max dans sa famille(1911)
マックスとキナ入り葡萄酒 Max victime du quinquina(1911)
マックスと犬 Max et son chien Dick(1912)
マックスのタンゴ踊教授 Max, professeur de tango(1912)
マックスと牝猫 Max n'aime pas les chats(1913)
マックスの写真術 Max fait de la photo(1913)
マックスの三日天下 Max décoré(1914)
マックスと嫉妬亭主 Max et le mari jaloux(1914)
マックスの給仕 Max maître d'hôtel(1914)
マックスの雪遊 Max et la Main-qui-étreint(1916)
マックスのお百度参り Max et le sac(1917)
マックスの渡米 Max Comes Across(1917)
マックスの離婚 Max Wants a Divorce(1917)
マックスの運転手 Max in a Taxi(1917)
ライオンと征服将軍(七年の不運) Seven Years Bad Luck(1921)
女房欲しさに Be My Wife(1921)
三笑士 The Three Must-Get-Theres(1922)
脱線曲馬王 Der Zirkuskönig(1924)

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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