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工場法 こうじょうほう factory acts

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

工場法
こうじょうほう
factory acts

産業革命期の劣悪な労働条件下で働く工場労働者を保護する立法。特に年少労働者や女性労働者の労働条件の低下が社会問題化し,資本家側も良質の労働力確保という観点から保護立法を是認した。イギリスでは 1802年最初の工場法が成立したが,本格的なものはシャフツベリー (伯) らの努力で成立した 33年の立法。

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デジタル大辞泉の解説

こうじょう‐ほう〔コウヂヤウハフ〕【工場法】

工場労働者の保護を目的とした法律。日本では明治44年(1911)制定、大正5年(1916)施行。12歳未満の者の就労禁止、12時間労働制などが規定された。昭和22年(1947)労働基準法の制定により廃止。

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百科事典マイペディアの解説

工場法【こうじょうほう】

主として工場労働者の最低労働基準,特に女性・年少者の保護基準を定める法律の総称。個別資本の利害を制約することによって資本主義生産における労働力の階級的消耗を防ぐことを目的とした最低限の労働者保護規定である。
→関連項目オーエン佐久間貞一児童労働シーニアーシャフツベリー女子労働職工事情労働法

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世界大百科事典 第2版の解説

こうじょうほう【工場法 factory acts】

工場労働者の保護を目的とした法律。1911年制定の日本のものを特に指していうこともある。
[イギリス]
 産業革命が生んだ工場制度は生産力の飛躍的発展をもたらしたが,他面,児童や婦人の長時間労働,事故の多発,〈工場熱〉(18世紀末の紡績工場を襲った原因不明の熱病)の流行,風紀の乱れなど,さまざまの社会問題をひきおこした。このためイギリスでは1802年,人道主義の立場を代表するロバートピールの提案によって,綿工場で働く児童労働を保護する〈徒弟健康風紀法Health and Morals of Apprentice Act〉が制定された。

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大辞林 第三版の解説

こうじょうほう【工場法】

労働者保護を目的とした法律。日本では1911年(明治44)制定、16年(大正5)実施。年少者・女子の雇用、労働時間などについて規制を定めたものであるが、不十分なものであった。1947年(昭和22)労働基準法の制定により廃止。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

工場法
こうじょうほう

工場労働者の保護を目的として、国家が労働契約に直接介入することによって労働条件を規制する法律をいう。[湯浅良雄]

イギリスの工場法

その嚆矢(こうし)は、資本主義がもっとも早く発展したイギリスにおいて、1802年に成立した「工場徒弟の健康および道徳の保護に関する法律」である。産業革命によって誕生した機械制大工業においては、それまで生産に不可欠であった熟練労働者にかわって、児童や婦人が低賃金労働者として大量に雇用され、劣悪な労働環境の下で長時間にわたって使用されるようになった。このような児童・婦人の大量雇用と長時間労働は、成人男子労働者の賃金を低下させ、失業させたばかりか、労働者の家庭生活をも深刻な危機に追いやった。なかでももっとも大きな被害を受けたのは児童労働者である。工場における長時間労働と家庭生活の解体によって、彼らの精神的・肉体的荒廃は著しく進行し、児童労働者問題が時の大きな社会問題として注目されるようになった。このようななかで、人道主義者、社会改良家、社会主義者、労働組合、一部の綿工場主、地主などが、それぞれの立場から児童労働者の保護を求めて工場改革運動に立ち上がり始めた。この運動の最初のささやかな成果が、先に指摘した1802年法の成立である。その後、ロバート・オーエンなどの努力によって相次いで法律が制定され、その内容も若干改善されたが、いずれの法律においても有効な実施機構が整備されなかったため、これらの法律はほとんど規制力をもちえず有名無実化してしまった。
 1830年代になると、労働組合運動が本格的に工場改革運動に取り組み始め、この結果、各地域に時間短縮委員会が結成され、その運動が大いに発展した。この運動の高揚のなかで成立したのが1833年法である。それは次のような内容の条項からなっている。(1)9歳未満の児童の雇用の禁止、(2)18歳未満の年少者の労働時間の制限(1日12時間)、13歳未満の児童の労働時間の制限(1日8時間)、(3)18歳未満の年少者・児童の夜間労働の禁止、(4)児童労働者の教育の義務化、(5)工場監督官制度の創設、である。内務省によって任命された(5)の工場監督官には、法律の有効な実施を保障するために、工場への立入権や規則の制定権などきわめて大きな権限が与えられた。したがって、この1833年法によって初めて、法律の有効な実施への道が大きく切り開かれることになったのである。
 これ以降、1844年法では婦人労働者に保護対象が拡大され、さらに、1847年法では労働時間の制限が10時間に短縮されたように、工場改革運動の粘り強い努力によって、イギリス工場法はしだいにその適用範囲を拡大し、保護内容も豊かなものに発展した。また、先進諸国においても、19世紀の後半にかけて、ほぼ同じ内容をもつ労働保護法が制定され、今日に至っている。[湯浅良雄]

日本の工場法

イギリスに遅れることおよそ110年、日本の工場法は1911年(明治44)に成立した。それは、(1)16歳未満の児童および女子の労働時間の制限(1日12時間)と、深夜労働の禁止、(2)12歳未満の児童の雇用禁止、を中心内容とするものであった。しかし、この法律は、資本家側の激しい反対のなかで、その適用範囲が労働者を15人以上使用する工場に限定されたうえ、非常に多くの例外規定をもち、当時の国際水準からして、きわめて低い水準の保護内容であった。日本の労働保護法がいちおう国際水準に到達するのは、第二次世界大戦後の1947年(昭和22)、工場法にとってかわって制定された労働基準法によってである。[湯浅良雄]
『B・ハチンズ、A・ハリソン著、大前朔郎他訳『イギリス工場法の歴史』(1976・新評論) ▽戸塚秀夫著『イギリス工場法成立史論』(1966・未来社) ▽風早八十二著『日本社会政策史』上下(青木文庫)』

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世界大百科事典内の工場法の言及

【安全管理】より

…労働者の安全を確保することが第一の目的であるが,工場周辺の住宅や諸施設に被害を与えないことも重要な目的で,さらに結果的には企業の事業活動の安定・発展に寄与することになる。 従業員の安全に関する法的措置は1802年イギリスの工場法制定に始まる。同法が実質的内容を備えた第5次改定(1833)以後ヨーロッパ各国が相次いで工場法を制定し,事業所内の危険予防施設・衛生設備の設置を定めた。…

【休日】より

…休日は働く者の労働のリズムを整え,労働力の再生産に活力を与えるために欠くことのできないものである。
【産業革命以前の休日】
 工場法が施行されるずっと以前から,働く人びとは厳しい労働のあいまに,それぞれの生活に即した休日をもった。古い時代,休日はおおむね祭礼を伴った。…

【児童労働・年少労働】より

…広義には,心身がなお未成熟の成長段階にある者の労働を児童労働,成人するになお至らない者の労働を年少労働という。いっそう限定された意味においては,工場法・労働基準法などの労働者保護立法によって雇用を禁止される特定の年齢未満の者の労働を児童労働,いっそう年長ではあるが,成人男子とは区別されてとくにつよく労働時間などを規制される特定の年齢未満の者の労働を年少労働という。 児童労働,年少労働は歴史上古くからみられたのであるが,それが社会問題として注目され,国家によって規制されるようになるのは,産業革命以降のことである。…

【法制史】より

…また統治機構を社会関係・階級関係に結びつける機構の法的保障として,1899年の農会法,1900年の産業組合法,1902年の商業会議所法などがある。これと対応して,一方では1900年の治安警察法,行政執行法など治安立法が,他方では1911年の工場法(1916施行)などの社会政策立法が展開された。(4)第4期は,確立した法体制が動揺と再編成を迫られた時期であり,最初の本格的な政党内閣としての原敬内閣の成立をみた1918年から31年の満州事変の発生に至る。…

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