アグスサリム(その他表記)Agus Salim

改訂新版 世界大百科事典 「アグスサリム」の意味・わかりやすい解説

アグス・サリム
Agus Salim
生没年:1884-1954

インドネシアイスラム改革主義の代表的な政治家,思想家。西スマトラのミナンカバウ出身。バタビア(現,ジャカルタ)のウィレム3世ギムナジウムで西洋式高等教育を受けたが,1906-11年の在ジェッダ・オランダ領事館通訳時代に,高名なウラマーの叔父アフマド・ハティブを通してイスラム改革主義にふれ,イスラムに回帰した。15年以後,大衆運動組織イスラム同盟に身を投じ,その指導者として,イスラム改革主義を民族独立運動一翼を担う政治勢力として定着させることに努めた。独立後は,外務次官,外務大臣,外務省顧問を歴任し,没後の61年には,〈民族独立英雄〉の称号を贈られた。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

20世紀西洋人名事典 「アグスサリム」の解説

アグス・サリム
Agus Salim


1884 - 1954
インドネシアの政治家,思想家。
元・インドネシア外相,元・イスラム教大学教授。
西スマトラ・ミナンカバウ出身。
バタビア(現ジャワ)のウィレム三世ギムナジウムで西洋式の教育を受け、1906〜11年在ジェッダ・オランダ領事館通訳を務めたが、イスラム改革主義にふれてイスラムに回帰した。’15年以後はイスラム同盟に参加し、のちに指導者として民族独立運動の一翼を担うことに努力した。独立後、外相、外務省顧問、イスラム教大学教授を歴任。没後’61年「民族の独立英雄」の称号を贈られた。

出典 日外アソシエーツ「20世紀西洋人名事典」(1995年刊)20世紀西洋人名事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アグスサリム」の意味・わかりやすい解説

アグス・サリム
Agus Salim

[生]1884.10.8.
[没]1954.11.4. ジョクジャカルタ
インドネシアの民族主義運動家。スマトラ西部ミナンカバウ地区出身で,1915年サレカット・イスラムに参加し,その有力な理論家一人として知られた。 29年に脱退して新党プニュダールを結成したが,まもなく政治活動をやめ文化活動に専念した。独立後しばしば外務大臣をつとめ,死後民族英雄の列に加えられた。

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