アセチレン化銀(読み)あせちれんかぎん(その他表記)silver acetylide

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アセチレン化銀」の意味・わかりやすい解説

アセチレン化銀
あせちれんかぎん
silver acetylide

硝酸銀のアンモニア水溶液にアセチレンを通ずると沈殿として得られる化合物。アセチレンの銀塩に相当するので銀アセチリドともいう。また炭化銀ともいう。反応の条件によっていろいろな組成のものが得られるが、Ag2C2(式量239.7)が代表的なものである。白色粉末。光に対して敏感であり、乾燥したものはとくに不安定で、加熱または摩擦により激しく爆発する。水に微量溶けるが分解する。酸およびアルカリ加水分解してアセチレンを発生する。爆発性が強いので冷暗所に保存する。

[中原勝儼]

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改訂新版 世界大百科事典 「アセチレン化銀」の意味・わかりやすい解説

アセチレン化銀 (アセチレンかぎん)
silver acetylide

化学式Ag2C2。銀アセチリド,炭化銀ともいう。アセチレンHC≡CHの銀塩に相当し,Ag⁺と[C≡C]2⁻とからなる。硝酸銀のアンモニア水溶液にアセチレンガスを通ずると沈殿する。反応条件によって各種の組成のものが得られる。白色粉末で,水にわずかしか溶けない。酸,アルカリと反応してアセチレンを発生する。光に対して敏感であるが,乾燥状態ではとくに不安定で,加熱または摩擦により激しく爆発する。
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