最新 地学事典 「アトサヌプリ火山群」の解説
アトサヌプリかざんぐん
アトサヌプリ火山群
Atosanupuri volcano group
北海道東部の屈斜路カルデラ内にあり,更新世末~完新世に生じた火山群。気象庁の活火山名はアトサヌプリ。外輪山と多数の溶岩円頂丘郡からなる。外輪山は,標高350~450mで,輝石安山岩質の溶岩・火砕物からなる。西側の和琴半島をつくるオヤコツと東側の252m山を生成後,約2万年前前後に複数のデイサイト質火砕流を噴出し,アトサヌプリカルデラ(直径約4km)を形成。その後ガラス質~隠微晶質のデイサイトからなる10個の溶岩円頂丘が外輪山の内外につぎつぎに噴出。これらの形態は単一~二重式,平坦~急峻で多様。7,600年前の摩周カルデラ形成噴火堆積物より古いものと新しいものに大別され,古いものは,274m山・ニフシオヤコツ・トサモシベ・オプタテシュケなど。新しいものは,マクワンチサップ・サワンチサップ・リシリおよびアトサヌプリがある。リシリ溶岩円頂丘は,約5,500年前に火砕流を発生。最新のアトサヌプリ溶岩円頂丘(標高512m,比高300m,別名「硫黄山」)は,3,000年前以降に7回の水蒸気噴火を発生し,最後の噴火は300~400年前。現在も多数の噴気孔があり,1963年まで昇華硫黄が採掘された。この噴気地帯の地下から層状泉が北へ流下し川湯温泉(強酸性)として湧出。
執筆者:長谷川 健
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

