アトサヌプリ(読み)あとさぬぷり

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アトサヌプリ」の意味・わかりやすい解説

アトサヌプリ

北海道東部,阿寒国立公園にある火山活火山で,常時観測火山。跡佐登とも書く。別称硫黄山。標高 508m。弟子屈町に属する。山岳名はアイヌ語で裸の山の意。屈斜路カルデラの中央部に形成されたアトサヌプリ火山群の一つで,噴気活動を続けている。外輪山に囲まれた中央火口丘山腹に「熊落し」と呼ばれる爆裂火口,火口丘のふもとには多数の硫気孔があって硫黄結晶をつくる。1876年川湯硫黄鉱山として採掘されたが,1963年に閉山山麓ハイマツ,エゾイソシロツツジの群落で覆われる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アトサヌプリ」の意味・わかりやすい解説

アトサヌプリ
あとさぬぷり

北海道東部、釧路(くしろ)総合振興局管内の弟子屈町(てしかがちょう)、川湯(かわゆ)温泉付近にある火山。硫黄山(いおうざん)ともいう。アトサヌプリはアイヌ語で「裸の山」の意。標高508メートル。屈斜路カルデラ内に噴出したアトサヌプリ火山群の一つで、山腹には熊(くま)落としとよばれる爆発火口、山頂部には輝石安山岩で構成された外輪山のなかに溶岩円頂丘がみられる。阿寒摩周(あかんましゅう)国立公園の一部で、山麓(さんろく)は多数の噴気孔イソツツジ、ハイマツなど高山植物の大群落がみられる。

[古川史郎 2018年5月21日]


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