川湯温泉(読み)カワユオンセン

デジタル大辞泉 「川湯温泉」の意味・読み・例文・類語

かわゆ‐おんせん〔かはゆヲンセン〕【川湯温泉】

北海道川上郡弟子屈てしかが町の温泉屈斜路くっしゃろ摩周湖との中間にある。泉質硫黄泉酸性明礬みょうばん
和歌山県田辺市にある温泉。泉質は単純温泉炭酸水素塩泉

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精選版 日本国語大辞典 「川湯温泉」の意味・読み・例文・類語

かわゆ‐おんせんかはゆヲンセン【川湯温泉】

  1. [ 一 ] 北海道東部、弟子屈(てしかが)町にある温泉。摩周湖と屈斜路湖の中間にある。泉質は酸性硫黄泉。
  2. [ 二 ] 和歌山県東部、田辺市本宮町川湯にある温泉。泉質は炭酸アルカリ泉。

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日本歴史地名大系 「川湯温泉」の解説

川湯温泉
かわゆおんせん

弟子屈町北部、屈斜路くつしやろ湖北東の川河畔にある温泉街。南の硫黄山に泉源をもち、摂氏四〇―六〇度ほどの強酸性の温泉である。神経痛・リウマチ・糖尿病などに効能があるとされる。「東蝦夷地場所大概書」には「久寿里の(湖) てしかゝ あかん三ケ所温泉あり」と記し、「東行漫筆」にも「クスリトウ」の温泉がみえるが(文化六年四月二四日条)、これは屈斜路湖畔に湧出するいけの湯・すな湯などの総称であろうか。


川湯温泉
かわゆおんせん

[現在地名]本宮町皆瀬川

大塔おおとう川の左岸に湧く温泉。延宝年間(一六七三―八一)常陸国水戸の碩学石井弥五兵衛が熊野三山に詣でた時の紀行「南隈記」に「黄昏筌川につく、拾丁許皆瀬川に到る、郷士成石の嘉左衛門来る、山家の宿静也、嘉左衛門云此地湯川原なり」とあり、川原に湧く温泉として川湯と称された。「西国三十三所名所図会」は次のように記す。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「川湯温泉」の意味・わかりやすい解説

川湯温泉(北海道)
かわゆおんせん

北海道東部、釧路(くしろ)総合振興局管内の弟子屈町(てしかがちょう)にある温泉。泉質は強酸性の硫黄泉。ホテルや旅館など宿泊施設が多く、阿寒摩周(あかんましゅう)国立公園東部の観光基地をなしている。温泉街南方の山アトサヌプリの麓(ふもと)にはエゾイソツツジのお花畑がある。JR釧網(せんもう)本線川湯温泉駅からバスの便がある。

[古川史郎 2018年5月21日]


川湯温泉(和歌山県)
かわゆおんせん

和歌山県南東部、田辺(たなべ)市本宮(ほんぐう)町川湯の温泉。熊野川支流大塔(おおとう)川の北岸に旅館が並ぶ。川原の砂を掘れば70℃以上のアルカリ性の単純温泉が湧出(ゆうしゅつ)するので川湯という。江戸初期の文書に温泉の記録があり、『紀伊続風土記(ふどき)』に「旅舎十余戸」とある。川原の露天風呂風情がある。冬季には川をせき止め、仙人風呂とよばれる大きな露天風呂がつくられる。国民保養温泉地に指定され、JR紀勢本線紀伊田辺駅、新宮駅からバスの便がある。

[小池洋一]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「川湯温泉」の意味・わかりやすい解説

川湯温泉
かわゆおんせん

和歌山県中南部,田辺市東部にある温泉。十津川の支流大塔川沿いの河原のいたるところで湧出,露天風呂がある。単純炭酸泉で,泉温は 70~73℃。リウマチ,胃腸病,婦人病痔疾特効があるとされ,国民保養温泉地に指定。熊野本宮大社瀞峡にも近く,吉野熊野国立公園に属する。

川湯温泉
かわゆおんせん

北海道東部,弟子屈 (てしかが) 町にある温泉地。明治初期に開発された。湧出量が豊富で,あふれた湯水は湯の川となって屈斜路湖に注ぐ。泉質は酸性硫化水素,硫黄泉。泉温 30~65℃。近くにアトサヌプリ (硫黄山) やシラカバ林,エゾイソツツジの群落があって,観光資源に恵まれ,北海道東部の有力観光温泉地となっている。阿寒国立公園に属する。

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