アナクレオン詩派(読み)アナクレオンしは

改訂新版 世界大百科事典 「アナクレオン詩派」の意味・わかりやすい解説

アナクレオン詩派 (アナクレオンしは)

18世紀ドイツの一詩派。1554年フランスでアンリ・エティエンヌ(エティエンヌ父子)が出版した古代ギリシアのアナクレオン風の詩はひろくヨーロッパに影響を及ぼしたが,1739年ごろドイツのハレに,この詩をドイツ語に翻訳しつつ,同時にこれにならった詩を作る一群の青年が現れた。このグループをアナクレオン詩派とよぶ。敬虔主義の中心地のひとつであったハレの宗教的雰囲気に反発するように,その詩は,酒や恋や友情をテーマとして,現世の喜びをうたい,軽快な形式に対する感覚,単純で優雅なものへの憧れ,戯れや機知を喜ぶ精神など,ロココ的な性格の文学である。その影響はひろくゲーテからロマン派の詩人にまで及んでいる。この派の詩人は,グライムJohann Wilhelm Ludwig Gleim(1719-1803),ウーツJohann Peter Uz(1720-96),ゲッツJohann Nikolaus Götz(1721-81)などで,先駆者にはハンブルクのハーゲドルンFriedrich von Hagedorn(1708-54)がいる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む