アヌマーンラーチャトン(その他表記)Phraya Anuman Rajadhon

改訂新版 世界大百科事典 「アヌマーンラーチャトン」の意味・わかりやすい解説

アヌマーンラーチャトン
Phraya Anuman Rajadhon
生没年:1888-1969

タイ国人文科学界の先駆的指導者。特に同国民俗学の育ての親として知られる。筆名,サティアンコーセートSathiankoset。土着主義を学問的基盤にすえて,膨大な人間観察の記録を残した。代表作品は《タイ旧慣習》(1956),《往時のタイ人の生活》(1957),《タイ固有習俗集成》(1962-65。邦訳書名《タイ民衆生活誌》),《回想録》(1967-70。邦訳書名《回想のタイ・回想の生涯》)。平民出身,低学歴(中等4年修了のみ)の不利を克服し,芸術局総裁,シャム協会会長など多くの要職を歴任し,タイ学界の最高位を極めた。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アヌマーンラーチャトン」の意味・わかりやすい解説

アヌマーン・ラーチャトン
Anuman Rajadhon, Phya

[生]1888.12.14.
[没]1969.7.1.
タイの碩学。筆名サティエンコーセート Sathienkoset。文学語学,芸術,歴史,宗教,慣習などタイ伝統文化万般にわたる研究にすぐれた業績を残した。平民の生れであったが独学で研究を重ね,文部省の辞典編集委員長,芸術局長,学士院長などを歴任した。主著に,翻案小説『カーマニット』 Kamanit (1939) ,『タイ民族史』 Rüang Không Chat Thai (40) ,『言語学』 Niruktisat (56) ,『タイ文化と諸慣習』 Watthanatham Lae Prapheni Tangtang Không Thai (61) などがある。

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