アブドゥッラー・イブヌッ・ズバイル(その他表記)`Abd Allāh ibn al-Zubayr

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

アブドゥッラー・イブヌッ・ズバイル
`Abd Allāh ibn al-Zubayr

[生]624.5.2. メジナ
[没]692.10/11. メッカ
ウマイヤ朝時代初期の僭称カリフ。母は初代カリフ,アブー・バクルの娘。ヒジュラ (ヘジラ) ののちメジナで生れたムハージルーンの最初の子供。アラブの大征服に参加して,シリア,エジプト,イランの戦役で活躍し,また第3代カリフ,ウスマーンに命じられて『コーラン』の公式編集にも参加した。叔母のムハンマドの未亡人アーイシャに味方し,第4代カリフ,アリーに対抗した「ラクダの戦い」で敗れたあとはメジナに引退した。ウマイヤ朝第2代カリフ,ヤジードのカリフ位を承認せず,同様にそれを承認しなかったアリー家のフサイン・イブン・アリーが戦死したのち,メッカでカリフを僭称した。一時はイスラム世界の大部分で彼のカリフ位が認められたが,名目的なものにすぎなかった。クーファでそむいたシーア派のムフタール (→ムフタールの乱 ) の勢力を破ったこともあるが,ウマイヤ家のアブドゥル・マリクがハッジャージ・イブン・ユースフを起用するに及んで,彼の軍にメッカを包囲され,支持者とともにそこで戦死した。

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