アホン(その他表記)ākhūn

改訂新版 世界大百科事典 「アホン」の意味・わかりやすい解説

アホン
ākhūn

広義にはイスラム法学・神学に通じる人を示すペルシア語。トルコ語諸方言にも借用されている。地域によって具体的には,マドラサの教師,高位のウラマー宗教儀礼の指導者等を指す。東トルキスタンでは,宗教指導者を指していたが,後には男性に対する一般的な敬称となった。中国のイスラム教徒の間では,アホン(阿衡,阿訇,阿洪)は宗務者の位階一種で,清真寺モスク)の教長になる資格を有するものをいう。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アホン」の意味・わかりやすい解説

アホン(阿渾)
アホン
akhūn

イスラムの神学者,説教者,司祭,学校教員などをいう。ペルシア語およびそれから出た東部トルコ語。「阿衡」とも書かれる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のアホンの言及

【回族】より


[清真寺制度]
 中国イスラムはスンナ派のハナフィー派に属する。回民は清真寺を中核として集住するのがふつうであり,各清真寺に所属する回民の宗教的生活を管理指導する宗務者をアホンという。清真寺の財政その他の経営に当たる者を郷老といい,アホンの招聘・選任を行う。…

※「アホン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android