改訂新版 世界大百科事典 「アマゾンリリー」の意味・わかりやすい解説
アマゾン・リリー
Amazon-lily
large flowered eucharis
Eucharis grandiflora Planch.et Linden
ヒガンバナ科で,コロンビア,ペルーのアンデス山系原産の球根植物。純白の芳香ある花をつけ,温室内で栽培され,切花にもされる。学名のEucharisはギリシア語で〈快い,魅惑的な〉という意味で,花の美しさと香りを指している。草丈40~60cmで,地際からギボウシのような長柄をもった光沢のある葉を生じる。株の中心から長い花梗がひきでて,先端に下向きに湾曲して咲く花を数輪つける。おしべは基部が合体して膜状になっている。花期はおもに春から夏。草姿や花の形状からギボウシズイセンとも呼ばれる。アマゾンユリ属Eucharisは南アメリカのコロンビアを中心に8種ほどが知られ,アマゾン・リリーの他にも栽植されるものがあり,交配品種も育成されている。耐寒性はそれほどなく,冬は15℃以上が必要である。半日陰の多湿な場所を好む。腐植質に富んだ排水のよい土に植えこみ,休眠状態になる秋から冬を除き,灌水を絶やさないようにする。春に株分けを行って繁殖させる。
執筆者:冨士原 健三
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報