ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リリー」の意味・わかりやすい解説
リリー
Lyly, John
[没]1606.11. ロンドン
イギリスの小説家,劇作家。学者の家に生れ,オックスフォード大学に学んで人文主義的教養を身につけた。紳士の教育を扱った教訓的小説『ユーフュイーズ』 Euphues,the Anatomy of Wit (1578) とその続編『ユーフュイーズとそのイギリス』 Euphues and his England (80) によって人気を得た。これらにおいて用いられた比喩と修辞に富んだ技巧的文体は「ユーフューイズム」と呼ばれ,文壇に大きな影響力をもった。また宮廷人の観客を対象として『キャンパスピ』 Campaspe (84刊) ,『エンディミオン』 Endimion (91刊) などの優雅な散文喜劇を発表。一時は国会議員としても活躍した。
リリー
Lily, William
[没]1522
イギリスの古典学者,文法学者。オックスフォード大学卒業後,南ヨーロッパ各地を旅行し,その間ギリシア語を研究。帰国後セントポール・スクール教頭をつとめた (1512~22) 。イギリスにおけるギリシア語研究の開拓者であり,またラテン語文法書の共同執筆者の一人となったが,この"Lily's Grammar"はたびたび改訂されながらも 18世紀まで,グラマー・スクール教科書として用いられた。
リリー
Lillie, Beatrice(Gladys); Lady Peel
[没]1989.1.20. オックスフォードシャー,ヘンリーオンテムズ
カナダ生れの喜劇女優。 1914年ロンドンでデビュー,以後ロンドンとニューヨークで出演。『メイム伯母さん』 (1958) のような喜劇にも出演したが,主としてレビューやキャバレーで活躍。特異な持ち味の演技と個性的な歌で人気を博した。 52年から始めた独演ショー『ベアトリス・リリーの夕べ』が有名。
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