アマミテンナンショウ（読み）あまみてんなんしょう

日本大百科全書(ニッポニカ)

アマミテンナンショウ
あまみてんなんしょう / 奄美天南星
[学] Arisaema heterocephalum Koidz.

サトイモ科（APG分類：サトイモ科）の多年草。球茎はやや扁球(へんきゅう)状で副芽をつける。葉は2枚あり、葉身は鳥足状に分裂する。花期は1～3月。花序の付属体は棒状で、基部に柄のような部分がなく、数個の退化した花をつける。南西諸島の常緑の林床に生え、しばしば石灰岩地に生育する。さらに地理的に異なる以下の3亜種を区別できる。狭義のアマミテンナンショウは奄美大島、徳之島の山地に生え、小葉が細長くて多数あり、仏炎包(ぶつえんほう)が緑色で付属体が細い。オオアマミテンナンショウは徳之島の低地に生え、仏炎包が緑色で付属体が太い。オキナワテンナンショウは沖縄本島の山地に生え、小葉が広披針(こうひしん)形でやや数が少なく、仏炎包内面が紫褐色である。

［邑田　仁　2022年1月21日］

[参照項目] | 仏炎包

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)