アムステルダム自由大学(読み)アムステルダムじゆうだいがく

大学事典 「アムステルダム自由大学」の解説

アムステルダム自由大学[オランダ]
アムステルダムじゆうだいがく

オランダ改革派教会(カルヴァン主義プロテスタント)宗旨とする総合大学。教育の自由を保障する憲法に則り,財政基盤は国立大学と同等であり,オランダにはこのような大学がほかに2校(ともにカトリック)ある。1901年から5年間首相を務めたアブラハム・カイパー,A.によって1880年に設立された。19世紀後半から半世紀にわたって教育の自由に対する論争が繰り広げられていたオランダでは,改革派教会による政党党首のカイパーとカトリック政党とが連立することで,宗教立学校や独自の教育方針による学校の全額国庫補助への道筋がつけられ,そのさなかの設立であった。とはいえ自由大学の「自由」は「国家からも教会からも産業界からも(学問は)自由である」ことを象徴している。2016年現在は10の学部で2万人以上の学生が学士修士,博士(Ph.D.)を目指して学んでいる。コンピュータ科学,生命科学,環境システム,教育など現代の社会的課題に貢献できる8領域が重点的に研究されている。
著者: 松浦真理

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

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