大学事典 「アメリカ高等教育学会」の解説
アメリカ高等教育学会
アメリカこうとうきょういくがっかい
アメリカ合衆国の代表的な大学（高等教育）研究学会。通称はアッシェ。1976年，全米から参集した10人の先駆的大学研究者による首都ワシントンでの創立は，大学が組織的にして恒常的な学術研究の対象として確立したことを意味した。初代会長は，学生経験調査を開発するなどIR（インスティチューショナル・リサーチ）の先駆者として知られるC. Robert Pace，C.R.。現在の本部はネバダ州ラスベガス。事前行事も含め4日にわたって開催される年次大会，および毎年発行の紀要『Review of Higher Education』，1985年以来毎年発行の高等教育理論研究ハンドブック等の各種シリーズ出版物は当該分野の全米的研究水準を示す。また1930年創刊で，現在は隔月刊の高等教育研究の総合誌『The Journal of Higher Education』（オハイオ州立大学出版部発行）の支援をしている。現在，全米の高等教育の学位・資格プログラムの質向上を図るCAHEP，少数人種・民族の参画を促進するCEP，公共政策の高等教育へのインパクトに関する研究を促進するCPPHE，国際分野や比較研究の促進を担当するCIHEの四つの常設委員会を持つ。約2000人の会員のうち3分の1は大学院生で，当該分野の研究者育成の機能も担う。
著者: 舘 昭
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報