紀要(読み)キヨウ

精選版 日本国語大辞典 「紀要」の意味・読み・例文・類語

き‐よう‥エウ【紀要・記要】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 要点を書きしるしたもの。
    1. [初出の実例]「先月日本で発表された小説の価値が、表になって出てゐますぜ。測定技師の記要まで、附いて」(出典:MENSURA ZOILI(1917)〈芥川龍之介〉)
  3. 大学や研究所などから出す研究論文を収載した定期刊行物。
    1. [初出の実例]「池の測深も某時やった結果が紀要に出て居る」(出典:池(1924)〈寺田寅彦〉)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「紀要」の意味・わかりやすい解説

紀要
きよう

大学または研究所が、その所管教員または研究員の学術論文を総合的に発表する雑誌。年1回発行のものが多い。外国学界学派中心で、研究を発表する報告report、講演会議経過を発表する会議録proceedings、雑誌bulletin, journalなどがあるが、名称一定しない。日本でも明治20年代から学術論文は発表されたが、紀要と記したのは『東京帝国大学文科大学紀要』で、1914年(大正3)が初めであり、全国大学が紀要と称するようになったのは52年(昭和27)からである。

[彌吉光長]

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図書館情報学用語辞典 第5版 「紀要」の解説

紀要

本来は,学会や研究機関の会合で発表された講演の記録,または,報告事項の大要を収録した印刷物のこと.日本では,主として大学や学会などに提出された論文や研究発表を掲載する機関誌に紀要という語が多く用いられている.実際には,論文だけではなく,会議の記録や報告なども掲載されていることが多く,学術報告や研究報告の色彩強い

出典 図書館情報学用語辞典 第4版図書館情報学用語辞典 第5版について 情報

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