アリンガム(読み)ありんがむ(その他表記)Margery Allingham

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アリンガム」の意味・わかりやすい解説

アリンガム
ありんがむ
Margery Allingham
(1904―1966)

イギリスの女流推理作家、社会歴史学者。1927年ごろより、探偵キャンピオンCampionを主人公とする、冒険的色彩の強い、軽いタッチの推理小説を次々に発表して評判を得たが、1934年の『幽霊の死』、続く1936年の『判事への花束』からは、鋭い性格描写と巧みな社会背景の導入で、文学的味わいの濃い推理作品を発表するようになった。第二次世界大戦後は推理小説の数は少なく、社会歴史学の本や一般小説の発表が多くなったが、ロンドン暗黒街殺人を扱った『煙の中の虎(とら)』(1952)は高い評価を受けている。

[梶 龍雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アリンガム」の意味・わかりやすい解説

アリンガム
Allingham, William

[生]1824
[没]1889
アイルランド詩人。最も野心的な作品は『アイルランドのロレンス・ブルームフィールド』 Laurence Bloomfield in Ireland (1864) であるが,短い抒情詩佳作が多い。

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