アルシャバブ
al-Shabaab
ソマリアを拠点とするアルカイダ系イスラム武装勢力。ソマリア南部で 2004年に設立された氏族を基盤とするイスラム法廷の連合体,イスラム法廷連合 ICUに所属する民兵組織として発足し,2006年からソマリア暫定連邦政府 TFGへの抵抗活動を展開している。ソマリア国内の解体されたイスラム武装勢力「アルイティハド・アル・イスラム」のメンバーを取り込み,やがて「若者」を意味する「アルシャバブ」の名で知られるようになった。ICUはソマリア国内の軍閥を破り,2006年6月に首都モガディシオを制圧,また同月にソマリア・イスラム法廷最高評議会 SSICCと改称した。2006年12月に国際社会が介入し,アメリカ合衆国の支援を得たエチオピア軍が侵攻。エチオピア軍は,TFGとともに SSICCとの戦闘に加わった。SSICCはまもなく敗走し解散したが,アルシャバブは存続し,TFGと国内のエチオピア軍に対する攻撃と自爆テロを展開した。2008年10月,TFGは SSICC元メンバーと権限分割協定を締結したが,アルシャバブは TFGへの歩み寄りに激しく抵抗した。2009年も支配地域を拡大し続け,2010年7月には国外で初の大規模な自爆テロを決行。ウガンダの首都カンパラで,サッカーの FIFAワールドカップ決勝戦をテレビ観戦するため集まった 70人以上を殺害した。アフリカ連合の平和維持軍アフリカ連合ソマリア・ミッション AMISOMとのたび重なる衝突で疲弊し,2011年8月にモガディシオから撤退。2012年10月には,AMISOMの攻撃を受け南部の港湾都市キスマユから撤退した。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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