イスラム武装勢力(読み)イスラムぶそうせいりょく

百科事典マイペディア 「イスラム武装勢力」の意味・わかりやすい解説

イスラム武装勢力【イスラムぶそうせいりょく】

イスラム過激派の武装集団をさす言葉。世俗化・西欧化したイスラムを否定し,ジハード聖戦)による真のイスラム国家の建設をめざし,その障害となるものを自爆テロもふくめてテロリズムなどの暴力行使によって排除しようとする活動家集団のこと。イスラム武装勢力には特定の地域の特定の集団だけではなく,中東をはじめ世界各地のさまざまな集団が含まれる。なかには地域全体を実効支配する勢力も存在する。アル・カーイダ,ヒズボラ,タリバーンなどが有名だが,〈アラビア半島のアル・カーイダ〉やアルジェリア〈武装イスラム集団〉〈イスラム・マグリブ地域のアル・カーイダ機構〉,チェチェン〈カフカス首長国〉,ウズベキスタン〈イスラム運動〉,〈東トルキスタンイスラム運動〉など多くの集団がある。近年はアフリカ諸国での活動が活発化しているが,シリア情勢やエジプトでの軍部クーデタによるムスリム同胞団への弾圧などが中東のイスラム武装勢力の大規模テロを逆に活発化させる可能性がある。さらに,2013年11月の天安門自動車爆破事件や2014年3月の昆明駅無差別暴力事件などを中国政府は新疆ウイグル自治区の過激派組織による(詳細は不明)ものとして規制・弾圧を強めており,東トルキスタンイスラム運動など反中国の武装勢力の活動も懸念されている。→イスラム過激派
→関連項目オランドチェチェンマリ(国)

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