モガディシオ(読み)もがでぃしお(英語表記)Mogadiscio

日本大百科全書(ニッポニカ) 「モガディシオ」の意味・わかりやすい解説

モガディシオ
もがでぃしお
Mogadiscio

アフリカ北東部、ソマリアの首都。同国南部に位置し、インド洋に面する港湾都市である。モガディッシュMogadishuともいう。人口116万2000(1999)、121万2000(2001推計)。シベリ川流域のバナナサトウキビなどの農業地帯を背後にもつ産物集散地で、セメント製鉄、皮なめし、肉や魚の缶詰製造などの工業も立地する。ウシヒツジヤギ、バナナなどを輸出する同国の主要貿易港で、従来、大型船は寄港できなかったが、世界銀行の援助で掘削工事が行われた。おもな住民はソマリア人。7世紀ごろ、アラビア半島から渡来したアラブ人が港を築いてゴムや木材を搬出した古い都市で、市街はイスラム的雰囲気があふれている。1871年以来ザンジバルスルタンが領有していたが、イタリアが1892年租借権を獲得し、1905年にはスルタンから買収してソマリ保護領の首都とした。第二次世界大戦中イギリス軍が占領し、1960年ソマリア独立とともに首都となった。

[赤阪 賢]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モガディシオ」の意味・わかりやすい解説

モガディシオ
Mogadiscio

ソマリアの首都。港湾都市。ベナディル州の行政庁所在地。同国南東部,インド洋に臨む。ソマリ語ではマクディショ Muqdisho,英語ではモガディシュ Mogadishu。モガディシオはイタリア語。 10世紀からのアラビア半島との交易中心地で,1871年ザンジバルのスルタン領,1892年イタリアの租借地,1905年イタリアの植民地となり,1941年までイタリア領ソマリアの首都。 1941~50年イギリスが支配。政治,文化の中心地であるとともに主要貿易港で,1976年に港湾施設の近代化を達成,バナナ,皮革,ミルラ (香料原料となる樹脂) などを輸出。食品加工,繊維などの軽工業がある。アラビア風の町で,モスク,博物館,国立大学 (1959) などがあり,イスラム教関係の教育機関も多い。鉄道はないが道路交通の要地。西方 8kmに国際空港がある。人口 135万3000(2009推計)。

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