カンパラ(読み)かんぱら(英語表記)Kampala

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カンパラ」の意味・わかりやすい解説

カンパラ
かんぱら
Kampala

アフリカ東部、ウガンダの首都。同国の中部ビクトリア湖の北岸近くに位置する。人口115万4000(1999推計)、165万0800(2019推計)。赤道直下であるが標高1150メートルの高原都市で、年平均気温21.7℃と気候に恵まれている。周辺はコーヒー、綿花を中心とする農業地帯で、カンパラはその集散地である。19世紀にはブガンダ王国の首都で、当時は七つの丘に王の居城や家臣たちの居住地区、商人が集まる市場などがあった。イギリスの植民地統治の時代には、行政、商業などの近代的な機関が集中し、1931年にはアフリカ東海岸のモンバサから延びた鉄道がカンパラに達した。住民構成はガンダ人がなかばを占め、国内の各地方や近隣諸国からの人口が集中している。かつてはインド人やパキスタン人などのアジア人も商業に従事し、1969年には3万2000人に達したが、アミン政権下の72年に国外に追放された。この時期、カンパラの企業や商店の活動は大きな打撃を受け衰退したが、その後すこしずつ復活している。南方40キロメートルにエンテベ国際空港がある。

[赤阪 賢]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カンパラ」の意味・わかりやすい解説

カンパラ
Kampala

ウガンダの首都。同国中南部,ビクトリア湖北岸近くの標高約 1190mの高地に位置。年平均気温 22℃。3~5月の雨季には 15℃前後になる。周辺では 15世紀頃から諸王国の興亡があったが,18世紀に南隣のメンゴを根拠地とするブガンダ王国が強大になった。 1890年イギリス東アフリカ会社が進出,1894年ウガンダのイギリス保護領化に伴い,エンテベとともにイギリス植民地政策の重要な拠点となり,独立後エンテベに代わって首都となった。綿花,コーヒー,茶,タバコなどの集散地,教育,文化の中心地で,東アフリカ3国最古のマケレレ大学 (1922) ,旧カンパラ城 (現博物館) がある。ケニアのモンバサから南西部のカセセにいたる東アフリカ鉄道の沿線にあり,道路事情も良好。空路は 35km南のエンテベ空港を利用する。「カンパラ」とはブガンダ族の言葉で「カモシカの土地」の意。人口 148万200(2008推計)。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報