改訂新版 世界大百科事典 「アルベルディ」の意味・わかりやすい解説
アルベルディ
Juan Bautista Alberdi
生没年:1810-84
アルゼンチンの政治家。トゥクマン州生れ。ブエノス・アイレスで〈1837年世代〉グループとともに文芸サークル〈五月協会〉を結成。ロサス独裁政権を批判して,1838年ウルグアイへ亡命,以後,チリ,ヨーロッパでロサス政権批判の文筆活動を展開した。オーギュスト・コントに傾倒した実証主義者で,52年《アルゼンチン共和国建設の基礎と出発点》を出版,同書の思想に依拠して,53年共和国憲法の起草者となる。ヨーロッパ移民の受入れと,外資・技術導入の重要性を強調。ロサス失脚後はウルキサ政権の下で54年から61年にかけて,フランス,イギリス,アメリカなどへの全権公使を務めたが,ミトレ政権と対立して政務を退いた。パリで客死。政治から文学,音楽におよぶ著作集24巻がある。
執筆者:今井 圭子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報