あん摩(読み)あんま(その他表記)massage

翻訳|massage

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「あん摩」の意味・わかりやすい解説

あん摩
あんま
massage

日本最初の医事法規である医疾令では,医博士,鍼博士とともに按摩博士が設けられている。当時の技法は伝わらないが,按は押し,摩はなでる意味であるから,軟部を主としたもので,後代に発達した整骨術よりはマッサージに近かったと想像される。江戸時代,当時の社会保障的発想から,あん摩を盲人専業としたために,名称は医術的印象を薄めたが,日本の医史では諸流,諸派の工夫進歩の跡がうかがえる。現在では,手技治療技術という観点から,「あん摩,マッサージ,指圧」と3種を総合した免許制度になっている (1947年施行) 。一般には,あん摩は遠心的 (治療が中央から末端にゆく) ,マッサージは求心的 (手足から躯幹に向く) といわれる。

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