デジタル大辞泉 「イオンビーム」の意味・読み・例文・類語 イオン‐ビーム(ion beam) 原子から取り出したイオンを高速加速して得られる光線状の流れ。固体に当てると内部にイオンがもぐりこむのを利用して、半導体への不純物注入や集積回路の作製、金属の表面加工などに用いられる。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
改訂新版 世界大百科事典 「イオンビーム」の意味・わかりやすい解説 イオンビームion beam 正または負の電荷をもったイオンの流れ。タングステンのような高融点金属を真空中で熱し,そこから出る熱電子を100eV程度に加速して気体原子に衝突させ,その際に発生するイオンを電場で加速することによって得られる。真空中で電子を振動させるとイオン化の効率が高められる。また低電圧のアーク放電や高周波放電を利用しても作れる。イオンの質量選別は磁場で曲げて行い,エネルギー分析は減速電場法,静電場偏向分析法など数種の方法がある。イオンビームは,原子,分子,原子核など物質構造の研究,ラジオアイソトープの製作や集積回路などの加工にも利用されている。執筆者:細谷 資明 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報