日本大百科全書(ニッポニカ) 「イシガイ」の意味・わかりやすい解説
イシガイ
いしがい / 石貝
Douglas' freshwater mussel
[学] Unio douglasiae
軟体動物門二枚貝綱イシガイ科の二枚貝。淡水性で、日本各地の河川や湖沼にすみ、水の清らかな砂礫(されき)底に普通にみられる。朝鮮半島から中国北部、シベリア方面にも分布し、日本のものを地方的亜種U. d. nipponensisとすることもある。殻長60ミリメートル、殻高28ミリメートルに達する長卵形で、殻頂は低く前から3分の1ぐらいの位置にあり、前端は丸いが後端はややとがる。腹縁はほとんどまっすぐ。殻は黄色地に緑色の放射状色帯があるが、老成すると黒ずむ。殻表には彫刻はなく、内面は白い真珠光沢が美しい。かみ合わせの主歯は扁平(へんぺい)で、後側歯は細長い。
[奥谷喬司]