イズマイロフ(読み)いずまいろふ(その他表記)Александр Ефимович Измайлов/Aleksandr Efimovich Izmaylov

日本大百科全書(ニッポニカ) 「イズマイロフ」の意味・わかりやすい解説

イズマイロフ
いずまいろふ
Александр Ефимович Измайлов/Aleksandr Efimovich Izmaylov
(1779―1831)

ロシアの寓話(ぐうわ)詩人。貧しい田舎(いなか)地主の家に生まれ、鉱山学校卒業後、官吏として勤務を始め、のちには地方の県の副知事を務めた。『エウゲーニー、別名、悪い教育と仲間の破滅的な結果』など教訓的内容をもつ長編小説も書いたが、その本領とするところは寓話詩のジャンルで、彼の作品はクルイロフの作品と並んで人気を博した。生涯に書いた126編の寓話詩のうち39編は翻訳ないし翻案であるが、創作物では酔っぱらいの元警察署長ピユニュシキン、コックのヤーシカなどを登場させ、道徳的見地から庶民の生活を描いたものが有名である。

中村喜和

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android