コック(読み)こっく(英語表記)cock

翻訳|cock

日本大百科全書(ニッポニカ) 「コック」の意味・わかりやすい解説

コック
こっく
cock

管路の途中に取り付けて、流体の流れを止めたり、流量圧力などを調節するための装置。弁の一種円錐(えんすい)形あるいは円筒形に穴のあけてある部品を管路の途中に結合し、その穴に円錐形あるいは円筒形のプラグを差し込んで、流体の流れを止めたり流量を調節したりする。プラグには穴があいているので、プラグを回転することで管内の流体の流れが止められ、プラグの回転角を選ぶことにより流量の調節ができる。出入口が2方向のものを二方コック、3方向のものを三方コックなどという。気体の流れを調節するのにも用いられ、これをエアコックという。水蒸気、油などの配管途中に使われるものは砲金黄銅などでつくられる。化学実験などに用いられる小型のものはガラス製が多い。

[中山秀太郎]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コック」の意味・わかりやすい解説

コック
Kock, Charles-Paul de

[生]1793.5.21. パシー
[没]1871.4.27. パリ
フランスの作家。亡命オランダ人の銀行家の子に生れたが,父は大革命で処刑された。自身も銀行員となったが,処女作『わが妻の子』L'Enfant de ma femme (1813) の出版がもとで解雇され,以後作家生活に入る。市井の小市民,下町娘たちが登場する小説は国内のみならず,外国でも「パリもの」としてもてはやされた。多作家で全集 (1902~05) は 299巻に及ぶ。代表作『ジョルジェット』 Georgette (1820) ,『無頼漢ギュスターブ』 Gustave le mauvais sujet (21) ,『隣人レーモン』 Mon voisin Raymond (23) ,『デュポン氏』 Monsieur Dupont (24) のほか,メロドラマ,ボードビルなど多数。

コック
cock

流体の流通遮断を行う簡単な弁。一方向に穴のあいた円錐面の栓 (プラグ) を弁箱の円錐面にすり合せて組立て,プラグを回してコックを開閉する。4分の1回転で全開するので開閉に時間を要しない。流路は直線的である。ただし,三方コックは全開の回転角度が異なり,流路も曲る。鋳鉄または青銅製で,主として直径の小さい管路や吐出し用などに用いる。ガラス,陶製などのものもある。

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