イソウロウグモ(読み)いそうろうぐも

日本大百科全書(ニッポニカ) 「イソウロウグモ」の意味・わかりやすい解説

イソウロウグモ
いそうろうぐも / 居候蜘蛛
[学] Argyrodes spp.

節足動物門クモ形綱真正クモ目ヒメグモ科イソウロウグモ属の総称。糸を出す能力がありながら自分の網を張らずに、ほかのクモの網で暮らす、いわゆる居候をし、その網にかかった虫を捕食する。ときには網の主であるクモを襲うことがある。また、なかには卵嚢(らんのう)をその網につるものがいる。クサグモの網には褐色のチリイソウロウグモ、オニグモコガネグモの網には銀色のシロカネイソウロウグモ、ジョロウグモやオニグモやゴミグモの網には赤橙(せきとう)色のアカイソウロウグモが宿ることがある。同類のヤリグモは居候生活をせずに、ほかのクモを襲う。日本に数種があり、本州以南に分布する。

[八木沼健夫]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例