ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コガネグモ」の意味・わかりやすい解説
コガネグモ
Argiope amoena
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節足動物門クモ形綱真正クモ目コガネグモ科に属するクモ。平地から山地にかけて普通にみられる夏に出現するクモで、雌は大きく20~25ミリメートルで、腹部の黒色と黄色の幅広い縞(しま)模様が目だつ。雄は小さく5~8ミリメートルで黒褐色。7月ごろが成熟期で、雌は大きい網を張り、中央から四方にジグザグの特別の白い糸をつける。この白い糸はクモの体を隠すのに効果があるとみて「隠れ帯(かくれおび)」とよばれる。本州以南に生息するほか、朝鮮半島、中国に分布する。近縁種にナガコガネグモ、チュウガタコガネグモ、コガタコガネグモなどがある。
このクモは、田舎(いなか)の子供に古くから親しまれ、戦わせたり、糸をセミとりなどに使う。このクモに相撲(すもう)をとらせる行事が鹿児島県姶良(あいら)市や高知県四万十(しまんと)市で毎年行われる。敵が近づくと網を揺するのでヨコブリグモ、腹部の形が三番叟(さんばそう)の帽子に似ているところからサンバソウグモなどの方言がある。また、地方によってはジョロウグモともよばれるが、真のジョロウグモは別の種である。
[八木沼健夫]
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