イタリアの選挙制度(読み)イタリアのせんきょせいど

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イタリアの選挙制度」の意味・わかりやすい解説

イタリアの選挙制度
イタリアのせんきょせいど

国会議員は直接普通選挙で選出される。上下両院とも,基本的には単純小選挙区と比例代表を有機的に結合した選挙制度である。下院定数 630は州または州を分割した 27のブロックに人口比例配分される。各ブロックに配分された定数の 75%は小選挙区で,25%はブロック全体で選出される。小選挙区では最大5党の統一候補が可能である。なお,1小選挙区と最大3ブロックから重複立候補ができる。投票は小選挙区,ブロックそれぞれ別に投票する記号式二票制である。小選挙区では最多得票者が当選人となる。小選挙区で当選人を出した政党のブロック得票から,当選人の小選挙区の次点+1票を差引く。その際,統一候補についてはブロックの政党得票に応じて小選挙区の票を按分する。ブロックでは,控除後のブロック得票に比例して各党に議席配分が行われる。その当選人の決定は各党が提出した名簿順位による。なお,控除前の全国得票率が4%未満の政党を比例代表の議席配分から除外する阻止条項がある。上院の選挙制度はおもに次の点で下院と異なる。定数 315で比例代表が州単位である。一票制なので,州内の小選挙区得票をそのまま政党別に集計しつつ当該政党の小選挙区当選人の全得票を控除して比例代表に用いる。統一候補は可能だが,その票の集計や控除の対象は1党に限られる。比例代表の当選人は小選挙区の落選者からその得票率の順で決定される。阻止条項はない。

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