ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イブン・ラーイク」の意味・わかりやすい解説
イブン・ラーイク
Ibn Rā'iq
[没]942.4. モスル
アッバース朝の将軍。初代のアミール・アルウマラー。トルコ系ハザール族の出身。父は下級のマムルーク (トルコ系奴隷軍人) であったが,彼は将軍ムーニスの引立てで頭角を現し,警察の長官,侍従長などを歴任したのち,下イラク地方の総督となり,兵力をたくわえた。 936年,カリフ,ラーディーは宮廷内の権力争いに終止符を打つため,兵力のある彼をアミール・アルウマラーに任命して帝国の軍事,行政の全権を与えた。 938年部下のバジュカムによってその地位を追われたが,941年に再任された。翌年アフワーズ総督の軍に敗れてモスルに亡命したが,ハムダーン朝のナーシル・ウッダウラ・アルハサンによって暗殺された。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報