ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハムダーン朝」の意味・わかりやすい解説
ハムダーン朝
ハムダーンちょう
Ḥamdān
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上ユーフラテス、シリアを支配したアラブ系王朝(906~1004)。9世紀末にハワーリジュ派と連合して頭角を現した、始祖ハムダーンに由来した名。その子アブー・アルハイジャーの代には、逆にアッバース朝の側にたって、ハワーリジュ派攻撃に勲功をあげ、モスルの総督となった。次のナースィル・アッダウラ時代に独立政権を樹立、西方へ勢力を拡大し、945年には、サイフ・アッダウラ(在位916~967)がアレッポにも政権を開いた。サイフ・アッダウラは文人の保護者としても名高く、その下からは詩人のムタナッビーらが出た。しかし、東方ではブワイフ朝、北西からはビザンティン帝国、南方からはファーティマ朝に脅かされ、支配は短命なものに終わった。
[清水宏祐]
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